コラム

IDPOSデータ活用入門第11回

コラム

「買上率を伸ばす為に必要な5つの着眼点 ③価格帯別の買上率」

 前回からボディソープカテゴリーを例に、買上率が低い、また前年に比べて低下した場合の5つの着眼点を説明しています。今回は、③価格帯別買上率を説明します。

5つの着眼点

価格帯別買上率

 価格帯別買上率とは、価格帯別の購入者数を来店人数で割った数値です。構成比でないことに留意して下さい。性年代買上率の回にも説明しましたが、構成比は合計で100になるため、ある価格帯の売上が大きく上がると他の価格帯は下がる可能性が高い訳ですが、買上率の場合は、いずれの価格帯の買上率を上げることも理論的には可能です。
 ボディソープカテゴリーの平均売価は314円(前回コラム参照)でしたが、価格帯別の買上率は100円台と200円台が高く、ここが中心価格帯であることがわかります。また、買上率の増減を昨対で見るとボリュームゾーンの100円台と300円台で買上率が下がっています。わずかに200円台でアップしていますが、中心価格帯で買上率ダウンがボディソープ全体の買上率ダウンの要因と推定されます。一方、400円以降の価格帯では概ね買上率がアップし、500~600円の中価格帯、1,000円台の高価格帯を購入する人が増えています。

小売データとの重ね合わせ

 図3は価格帯別買上率のデータをある小売業のデータと重ね合わせしています。全国データと小売業のデータを比較するのは、その小売業にとって課題の価格帯はどこか、まだ伸ばせる余地はどの程度あるのか、を見極めるためです。剤型別の因数分解で、金額構成比の8割以上を占めている「液体タイプ」の買上率がダウンしていました。また、「泡タイプ」は金額構成比15%程度とまだ小さいものの、売上・買上率ともにアップし有望な剤型ということがわかっています(前回コラム参照)。
 液体タイプの重ね合せでは100~300円台の中心価格帯で小売業の買上率がパネルより低いですが、500円台以降は買上率に遜色なくわずかですが900円台では上回っています。低価格帯の商品は入口になることが多いため、全国で売れ筋となっている低価格ブランドの導入・拡大など、品揃えやフェース数の見直しも検討すべきです。まずは低価格帯ですそ野を広げてから、中~高価格帯に誘導するわけです。
 一方、泡タイプの価格帯はピークが500円台で、パネルのピークより100円高い価格にあります。泡タイプの買上率は全国パネルとのギャップは小さいものの、伸び率に差がある状況です。そこで、さらに伸ばしていくには価格設定に問題がないか、などブランド・単品へ掘り下げて対応方法を検討する必要がありそうです。また800円台にもう1つ買上率の大きな山があります。継続的に取り組みをしていくとよいでしょう。
 最後に、新規の入り口である低価格帯の商品を打ち出す際には、既存顧客のランクダウンにも注意が必要です。実際にあった事例ですが、
 「××成分新配合でしっとり感アップ、素肌に優しい☆☆ブランド 298円」の近くに、
 「お肌に優しい △△ブランド 980円」 が置いてあり、それ以上の詳しい説明は商品説明を読まないと分からないとしたら、短時間の買い物で売価の違い(△△ブランド、980円の価値)を納得頂くことは難しいと思われます。このように低価格品に成分を載せ丁寧な説明と販促によるバックアップを行うと、これまで980円のブランドを購入していたお客様が手に取りやすくなりランクダウンのきっかけになる可能性もあります。広く購入者を集める売場には低価格商品を、既存客が立ち寄る売場には、パーソナルユースにふさわしい高機能や香りの提案などを丁寧に紹介していくといった、ターゲットに合わせたメッセージ訴求が必要です。

 次回は4つ目の着眼点、新規の獲得を説明します。