コラム

IDPOSデータ活用入門第15回

コラム

「IDPOSを用いた基礎化粧品の分析アプローチ~その2」

前回から基礎化粧品を題材にIDPOS分析の流れを説明しています。今回から以下の3つの分類
 A. 新規顧客の開拓
 B. 既存顧客の深耕
 C. 離反客の呼び戻し
を更に5つのターゲットに分けて検討していきます。今回は、A. 新規顧客の開拓についてご説明します。

A:新規顧客の開拓 は自店でまだ基礎化粧品を購入していない、或いは低関与の人を探して購入頂く活動です。大きく2つのアクションに分かれます。

A-(1)ストア優良顧客の不買&不支持の克服
 ドラッグストアにおける優良顧客の目安は年間6万円以上の購入者と考えられます。年6万円以上購入している方の年間来店頻度は約52回、毎週1度は来店されています。そんな顧客が1度も基礎化粧品を買っていない、などあるのでしょうか?勿論企業によって異なりますが、ある店では、20-70代女性の優良顧客のうち約18%が基礎化粧品を未購入でした。また基礎化粧品の購入額がゼロではないにしても年間で1,000円未満の優良顧客を低関与者と定義すると、この方達は基礎化粧品は他の店(EC等他業態も含む)で購入されている可能性が極めて高い層と考えられます。来店の習慣のある優良顧客にとって、基礎化粧品を自店で買わない理由は何か、品揃えなのか、人的対応(カウンセリング力)なのか、価格や販促なのか、自店の課題を把握して、購入頂くにはどうしたらよいか、を考えていきます。そのためにはまず調査が必要になりますので、お客様重役会やアンケートで課題を抽出します。その上で、自店で購入されることによって得られる非経済的特典=絆特典についてご案内し、ご招待します。優良顧客は自店の販促に素直に反応される層ですので、買っていないということは 経済的特典だけでは響きにくいことを意味しているからです。例えば、基礎化粧品優良顧客向けの予約制の個別お肌相談会、最新メイク施術の体験会へのご招待や、セグメント個別の肌悩み相談会などです。
続いて、優良顧客でもメイク落としや洗顔料などの特定美類しか購入していいない方に着目します。この方に対しては、基礎化粧品の中でリピート率が高く他の美類への波及率の高い化粧水、乳液カテゴリーを購入いただいて、固定化することを目指します。一般的に基礎化粧品の購入は美類の使用順序に沿って併買が広がっていきます。洗顔購入者には洗顔後のお肌を整え、保湿する化粧水をお勧めするのが自然な流れになります。そのためお勧めしたいブランドの化粧水、乳液、美容液などのサンプルをお渡しし、そのブランドの特徴や肌効果をお伝えします。更に本体購入の際の特典(ポイント、粗品のご提供など)もお伝えして購入に導きます。
 最後、優良顧客で基礎化粧品を年間1,000円以上購入し、複数美類を買っているが、低価格ブランドのみ、という方に着目します。低価格帯ブランドが良くない、ということではありませんが、競合店でもどこでも買うことができ、価格競争にさらされているのであれば、自店で自信をもってお勧めする重点ブランドへの移行を図ることも検討します。この時、お客様が完全にブランド固定している場合(=年間にそのブランド以外は購入していない)は切り替え施策の効果が見込めないばかりか、「単なる押し売り」と捉えられてしまうリスクがありますので、ターゲットから外す必要があります。低価格ブランドを変えながら(満足できずに)買い回っているお客様が主たるターゲットです。また、既に低価格帯ブランドで化粧水や乳液を使用していることを考慮すると、一度に全美類のブランド変更は難しいため、顧客が最も必要としている美類サンプルからお渡しし、本体購入に着実に結びつけていきます。

A-(2)カテゴリー新規客の発見
 (1)では優良顧客の不買不支持に着目しましたが、(2)はそれ以外の顧客で基礎化粧品を買ってくれそうな新規客を探すアプローチです。
基礎化粧品カテゴリー新規とは、「直近1年間に基礎化粧品を1単品も購入していない顧客」と定義します。優良顧客以外で基礎化粧品を買ってくれそうな方としては、自店の新規会員と準優良顧客(ストア全体で年間3~6万円購入)、中でも来店頻度が高く美容系の健康食品(サプリメントやドリンク類)購入者や自店のSB、PB、お勧め品を購入されている方が該当します。ストア全体での購入額が低い「使い分け顧客(年間1万円未満)」は元々来店頻度が低いため、購買に導く動線を作ることが困難です。よってターゲットからは外しています。
 自店の新規会員に対しては、入会時に店舗の特徴(営業時間、品揃えの特長、定例的な販促施策、各種サービス等)をリーフレットにしてお渡しする等が有効です。ビューティ部門に関してはすぐに全面的に店を切り替えるケースは少ないため、自店の特長、例えばゆっくりカウンセリングできる体制やスペースがある、セルフでお試しができる設備が充実している、話題の新商品の導入が早い等を訴求して、基礎化粧品の買い場としてアピールします。
 続いて、準優良顧客で基礎化粧品を買って頂けそうな方を探す方法、顧客プロファイリングについて次回詳しく紹介します。